家族葬に参列しない場合、花は贈るべき?贈るときのマナーや選び方
家族葬とは、故人の家族や親しい友人など、限られた人数で行う小規模な葬儀のことです。近年、コロナ禍や経済的な理由などで家族葬を選ぶ方が増えていますが、その場合、参列しない人はどのように弔意を伝えるべきなのでしょうか。
特に、花に関しては、一般的な葬儀とは異なるマナーや注意点があります。この記事では、家族葬に参列しない場合の花の贈り方について、以下の3点に分けてご紹介します。
- 花を贈るかどうかの判断基準
- 花を贈る場合の種類や相場
- 花を贈る場合のマナーや注意点
花を贈るかどうかの判断基準
家族葬に参列しない場合、まずは花を贈るかどうかを判断する必要があります。その基準は、以下の2点です。
- 訃報の連絡に日時や場所が記載されているか
- 供花や弔電の辞退の意思があるか
訃報の連絡に日時や場所が記載されている場合は、参列してもよいという遺族の気持ちの表れです。その場合は、花を贈っても問題ありません。逆に、日時や場所が記載されていない場合や、家族葬で執り行うという内容だけの場合は、参列を控えてほしいという意思表示なので、花を贈るのも控えるのがマナーです。
また、供花や弔電の辞退の意思がある場合は、それに従うのが礼儀です。遺族の意向に寄り添うことが、なによりも大切です。ご自身の思いを優先し、無理を押し通すことは避けましょう。
花を贈る場合の種類や相場
花を贈ることになった場合、次に考えるべきことは、どのような種類や金額の花を贈るかです。家族葬においては、以下の3種類の花が一般的です。
- 供花
- 献花
- 枕花
供花とは、祭壇に飾られる花のことで、関係性の近い方から送られます。供花の平均相場は約7,000円~15,000円ですが、斎場の大きさや祭壇の雰囲気に合わせて選ぶことが重要です。また、供花は左右で対になるように2基贈るのが一般的ですが、近しい関係でない場合は1基でもかまいません。
献花とは、焼香の代わりに使用する花のことで、1本ずつ祭壇や棺の中に入れます。献花は葬儀会場で用意されることが多いので、自分で用意する必要はありません。献花を供えるときは、花を自分に向け、一礼して去るのがマナーです。
枕花とは、故人の枕元に置かれる花のことで、故人と生前、深い付き合いをしていた親族や友人の方が送ります。枕花は故人の霊を鎮めつつ、ご遺族や関係者の心を慰めるという意味合いが込められています。枕花の平均相場は約5,000円~20,000円ですが、あまり大きすぎないものを選ぶのが望ましいです。
花を贈る場合のマナーや注意点
花を贈る場合には、以下の6つのマナーや注意点に気を付けましょう。
- 芳名名札を正しく書く
- お通夜の前に届くように手配する
- お花の種類には気をつけて送る
- お返しは不要と伝える
- 連名なら最年長の名前を記す
- 不安な方は葬儀社に相談をする
芳名名札を正しく書くときは、以下の点に注意しましょう。
- 住所や敬称は省略しない
- 会社名や役職名は書かない
- 連名の場合は、故人との関係性を明記する
お通夜の前に届くように手配するときは、以下の点に注意しましょう。
- 葬儀会場の住所や電話番号を確認する
- 葬儀社や花屋に配達時間を指定する
- 配達状況を確認する
お花の種類には気をつけて送るときは、以下の点に注意しましょう。
- 宗教によっては花を好まない場合がある
- 赤や白以外の色の花は避ける
- 花言葉や形に不吉な意味がないか確認する
お返しは不要と伝えるときは、以下の点に注意しましょう。
- 芳名名札に「お返し不要」と記す
- 電話やメールで伝える場合は、遺族の負担にならないように配慮する
- お返しを受け取った場合は、お礼の連絡をする
連名なら最年長の名前を記すときは、以下の点に注意しましょう。
- 故人との関係性が同じ場合は、年齢順に並べる
- 故人との関係性が異なる場合は、親しい順に並べる
- 連名の人数が多い場合は、代表者の名前だけを記す
家族葬でお花代を包むときの相場とマナー
家族葬とは、家族や親族などの近親者、故人と生前に親しかった友人・知人に限定して小規模に行う葬儀のことです。家族葬は、故人の遺志やご遺族の希望に沿って、自由に形式を決めることができます。
家族葬に参列する場合や、参列できない場合に、香典の代わりにお花代を渡すことがあります。しかし、家族葬の場合は、香典や供花を辞退されることも多く、お花代を渡す際には注意が必要です。
そこでこの記事では、家族葬でお花代を渡すときの相場とマナーについて、以下のことを中心にわかりやすく説明します。
- お花代とは何か
- お花代の相場はどのようなものか
- お花代を渡す時のマナーは何か
- お花代を渡す時の注意点は何か
お花代とは何か
お花代とは、葬儀に参列するときや、参列できないときに、香典の代わりに渡すお金のことです。その名の通り、祭壇に供えるお花用にあてるお金です。
お花代を渡す場合は、以下の2つのケースがあります。
- 供花の費用として渡す
- 香典の代わりとして渡す
供花の費用として渡す場合は、自分で送るのではなく、喪主にお花代を渡して、葬儀にふさわしいお花を選んでもらうという意味です。供花は祭壇に飾るのが一般的です。そのため、お通夜や葬儀の前に喪主に渡すのが良いでしょう。
香典の代わりとして渡す場合は、葬儀に参列できなかったり、香典を辞退されたりした場合に、故人に弔意を示すために渡すものです。家族葬の場合、香典を辞退されることも多く、お花代とすることで遺族に気を遣わせないという配慮を感じられます。喪が明けないうちに贈るようにしましょう。
お花代の相場はどのようなものか
家族葬でお花代を渡すときの相場は、以下の表のようになります。
故人との関係 | 供花の費用として渡す場合 | 香典の代わりとして渡す場合 |
---|---|---|
家族(両親、兄弟など) | 7,000~10,000円 | 3~10万円 |
親族(祖父母、叔父・叔母) | 7,000~10,000円 | 1~5万円 |
友人・知人や仕事関係 | 7,000~10,000円 | 5,000~10,000円 |
供花の費用として渡す場合は、1基あたり約7,000~10,000円が相場とされています。お花代は、供花を送るのと同じ意味なので、供花の相場と同じ金額を包むのがマナーです。お花代を送っても、供花を手配するのに金額不足ではご遺族に負担をかけてしまうからです。また、供花の相場とかけ離れて多額のお花代を包むのも、お返しなどで負担となるため避けましょう。
香典の代わりとして渡す場合は、基本的には香典に準じる金額を包むのがよいでしょう。ただし、家族葬にふさわしい金額の範囲にとどめておくことがマナーです。金額の相場は、故人との関係によっても変わります。家族や親族などの近親者であれば、3~10万円程度が目安です。友人・知人や仕事関係であれば、5,000~10,000円程度が目安です。
お花代を渡す時のマナーは何か
お花代を渡す時のマナーとしては、以下のことに注意しましょう。
- 封筒の選び方
- 渡すタイミング
- 辞退していないか確認する
封筒の選び方としては、白無地の封筒か香典を包む不祝儀袋を使います。水引は白黒の水引をかけた袋または双銀の水引をかけた袋を使用します。金額に応じて水引を使い分けます。1万円程度までのお花代であれば、水引が印刷された不祝儀袋でよいでしょう。1~3万円のお花代であれば、白黒の水引をかけた不祝儀袋を使います。また3万円以上であれば、双銀の水引をかけた不祝儀袋を使用します。封筒の表書きには、水引の上段に名目、下段に送る人の氏名を記入します。名目としては、「御花料」または「御花代」のいずれかとします。氏名は、個人で送る場合は送り主のフルネームを記載します。法人で送る場合は、組織名と代表者名を記載します。なお、記入する際は、薄墨を使用するのが無難です。
渡すタイミングとしては、供花の代わりとしてお花代を渡す場合は、通夜や告別式の前に喪主に渡すのが基本です。喪主は葬儀中多忙ですので、邪魔にならないような配慮が必要です。香典
の代わりとしてお花代を渡す場合は、喪が明けるまでに贈るのがマナーです。喪が明けた後に贈ると、遺族に不幸を思い出させることになりかねません。お花代を送る方法としては、郵送や宅配便などで直接喪主に届けるか、葬儀社や花屋などに依頼するかのいずれかです。郵送や宅配便で送る場合は、封筒に「お花代」と書いて、喪主の住所と氏名を明記します。葬儀社や花屋に依頼する場合は、お花代の金額と喪主の連絡先を伝えて、お花代の封筒を渡します。
辞退していないか確認するというのは、家族葬の場合、香典や供花を辞退されることが多いということを忘れないでください。辞退されている場合は、お花代を渡すのはマナー違反となります。辞退の有無は、喪主からの連絡や葬儀の案内状などで確認できます。もし、辞退されている場合は、お花代を渡さないでください。代わりに、お悔やみのメッセージやカードを送ることで、故人に対する敬意や遺族への気遣いを伝えることができます。
家族葬でお花代を渡すときの相場とマナーについて、以下のポイントをおさえておきましょう。
- お花代とは、香典の代わりに渡すお金のことで、祭壇に供えるお花用にあてるものです。
- お花代の相場は、故人との関係によって変わりますが、供花の費用として渡す場合は約7,000~10,000円、香典の代わりとして渡す場合は5,000~10万円程度が目安です。
- お花代を渡す時のマナーとしては、白無地の封筒か不祝儀袋を使って、水引と表書きを適切にすること、渡すタイミングを通夜や告別式の前や喪が明けるまでにすること、辞退していないか確認することが大切です。
家族葬は、故人やご遺族の希望に沿って行われる葬儀です。そのため、お花代を渡す際には、故人に対する敬意や遺族への気遣いを忘れないようにしましょう。お花代を渡すことで、故人との思い出や感謝の気持ちを伝えることができます。
まとめ
家族葬に参列しない場合の花の贈り方について、以下の3点をお伝えしました。
- 花を贈るかどうかの判断基準は、訃報の連絡に日時や場所が記載されているか、供花や弔電の辞退の意思があるかです。
- 花を贈る場合の種類は、供花、献花、枕花の3種類があり、それぞれに相場やマナーがあります。
- 花を贈る場合の注意点は、芳名名札の書き方、お通夜の前に届くように手配すること、お花の種類に気をつけること、お返しは不要と伝えること、連名なら最年長の名前を記すこと、不安な方は葬儀社に相談することです。
家族葬に参列しない場合でも、故人や遺族に対する敬意や思いやりを忘れずに、花を贈るかどうかを判断しましょう。花を贈る場合は、適切な種類や金額の花を選び、マナーや注意点を守って送りましょう。花は言葉に代わって、故人に対する感謝や哀悼の気持ちを伝えることができます。故人の冥福を祈りつつ、花を贈ることで、心の整理をつけることもできるでしょう。
この記事が、家族葬に参列しない場合の花の贈り方について、少しでもお役に立てれば幸いです。ご質問やご意見がありましたら、お気軽にコメント欄にお書きください。最後までお読みいただき、ありがとうございました。