家族葬に参列するかどうかは、故人や遺族の意向を尊重することが大切です。しかし、会社の同僚や上司から参列を求められたり、参列しないと失礼になるのではないかと悩んだりすることもあるでしょう。そこで、この記事では、家族葬への参列を辞退する方法や、会社側の対応についてご紹介します。
家族葬への参列を辞退する方法
家族葬への参列を辞退する場合は、以下の3つの方法があります。
- 訃報連絡の際に明記する
- 葬儀後に訃報を伝える
- 忌引き連絡の際に伝える
それぞれの方法について詳しく見ていきましょう。
訃報連絡の際に明記する
故人の臨終を伝える訃報連絡の際に、葬儀は家族葬で行うため、参列は辞退させていただく旨を記載しましょう。葬儀の詳しい日時や場所は記載しません。この際、香典や供物、弔問に関してはどう対応するのかも明記すると、トラブルを回避できます。
訃報連絡の際に辞退を伝えると、葬儀を行う前に連絡できるので、どうしても参列したいという方に対応できます。連絡手段は、電話またはメールが多いです。後ほど文例を紹介するので、ご確認ください。
葬儀後に訃報を伝える
葬儀後に訃報連絡を行うと、遺族の負担を減らせます。故人の臨終後の忙しい時期を避けられるからです。訃報を伝えるタイミングは、初七日∼四十九日がよいとされています。家族葬を済ませたことと、通知が遅くなったことへのお詫びを入れましょう。
連絡手段は、口頭やはがきが多いです。親しい関係の方や近所の方には口頭で済ませても問題ありません。はがきの場合は、年賀状のやり取りがある方に訃報を伝える手段として用いられることが多いです。
忌引き連絡の際に伝える
会社や学校には、葬儀を行うための忌引き休暇をもらいます。忌引き休暇の申請の際に、葬儀を家族葬で行うため、参列は辞退する旨を伝えましょう。連絡手段は、電話やメールが多いです。
会社の場合は、香典を用意してくれることも多く、会社からの香典は福利厚生の一部である場合があるので、すべて断るのではなく、内容を確認しましょう。
家族葬への参列辞退の文例
家族葬への参列辞退を伝える際は、電話・メール・はがきの3つの連絡手段を用いることが一般的です。それぞれに特徴があるので、連絡相手によって使い分けましょう。また、訃報連絡を入れるタイミングも考えて連絡手段を選ぶとスムーズです。SNSで連絡する場合は、メールと同じ扱いになります。文面付きで連絡手段を解説するので、ご確認ください。
電話
電話は、訃報を伝える際にもっとも用いられます。一番早く連絡でき、相手に伝わったかも確認しやすいからです。訃報連絡と一緒に参列を辞退することを伝えたいと考える場合は電話がもっとも有効です。しかし、故人が深夜や早朝に亡くなった場合は、関係性を考えて連絡しましょう。
【電話での例文】 突然のお電話申し訳ありません。〇〇の娘の△△と申します。 本日午前3時に、父が死去しました。 葬儀に関しましては、父の希望から、家族のみで行います。 お香典や弔問に関しましても、断り申し上げます。 生前のご親交ありがとうございました。
メール
メールは、時間帯を選ばずに送ることができるのがメリットです。しかし、確実に伝わったかは分からないので、注意しましょう。メールでは句読点を打たないのがマナーです。訃報連絡と一緒に辞退を伝える場合や葬儀後に訃報を伝える場合に多く用いられます。
【メールの文例】 件名:〇〇死去のお知らせ 本文:入院中であった父〇〇が△月△日に死去いたしました 葬儀に関しては故人の意志に従い家族のみで執り行いました 弔問弔電香典に関しましても\u3000断り申し上げます 生前に受け賜りましたご厚意に深く感謝申し上げます
はがき
はがきは、主に年賀状のやりとりのある人に故人の死去を伝える場合に用いられます。そのため、葬儀後の訃報連絡になることが多いです。
【はがきの文例】 父〇〇儀かねてより病気療養中でございましたが△月△日に死去いたしました 謹んで通知申し上げます 誠に勝手ながら\u3000故人の希望に従い葬儀を〇月△日に家族のみにて執り行いました ご香典や弔問に関しましても\u3000固く辞退申し上げます すぐにお知らせすべきところでございましたがご通知が遅れました事を
お詫び申し上げます 故人とのご縁に感謝いたします 〇〇の子 △△
以上、家族葬への参列を辞退する方法と文例をご紹介しました。家族葬は、故人や遺族の意向を尊重することが大切です。しかし、会社や社会との関係も考慮しなければなりません。参列を辞退する際は、連絡手段やタイミングを選び、敬意と感謝の気持ちを伝えましょう。
私の感想としては、家族葬は故人の最後の旅立ちを静かに見送ることができるというメリットがありますが、周囲の理解や協力を得ることが難しいというデメリットもあります。家族葬を選択する場合は、事前に周知しておくことや、葬儀後に改めてお礼を伝えることが大切だと思います。
以下は、家族葬に関する情報を表にまとめたものです。参考にしてください。
項目 | 内容 |
---|---|
家族葬とは | 故人や遺族の希望により、家族や親しい友人など限られた人数で行う葬儀のこと |
家族葬のメリット | ・費用を抑えられる ・故人の最後の姿をじっくり見送れる ・遺族の負担を減らせる |
家族葬のデメリット | ・周囲の理解や協力を得にくい ・故人との縁を絶つことになる ・後悔や孤独感を感じる |
参列を辞退する方法 | ・訃報連絡の際に明記する ・葬儀後に訃報を伝える ・忌引き連絡の際に伝える |
参列を辞退する文例 | ・電話での例文 ・メールでの例文 ・はがきでの例文 |
家族葬で香典を辞退するときの会社への連絡方法と文例
家族葬とは、ごく近しい身内だけで故人を送る小さな葬儀です。家族葬では、香典を辞退することが多いですが、その場合、会社にどのように連絡すればよいのでしょうか。
今回は、家族葬で香典を辞退するときの会社への連絡方法と文例をご紹介します。タイミング別に分けて解説していきますので、ぜひ参考にしてください。
事前に連絡する場合
家族葬で香典を辞退する場合、事前に会社に連絡するのがベストです。事前に連絡することで、参列者や会社の方々に迷惑や違和感をかけることを避けることができます。
事前に連絡する方法は、次のようなものがあります。
- 電話で直接伝える
- メールで伝える
- 訃報連絡用紙で伝える
それぞれの方法について、文例を見てみましょう。
電話で直接伝える
電話で直接伝える場合は、総務担当者や直属の上司に連絡します。故人との関係や葬儀の日時、場所などを伝えた後、香典辞退の旨を明確に伝えます。
<文例>
○○課の○○です。お電話での報告で申し訳ありません。
昨日○○時に父(母)が亡くなりました。
生前は、父(母)が大変お世話になり、ありがとうございました。
故人の遺志により、葬儀は身内のみの家族葬でとり行うことになっております。
勝手ながら、ご会葬およびご厚志は辞退させていただきたいと思います。
お忙しい中、みなさまにはご迷惑をおかけしますが、どうぞよろしくお取りはからいください。
メールで伝える
メールで伝える場合は、総務担当者や直属の上司に送ります。故人との関係や葬儀の日時、場所などを伝えた後、香典辞退の旨を明確に伝えます。
<文例>
件名:父(母)の訃報について
○○様
お世話になっております。○○課の○○です。
父(母)○○が○月○日に逝去いたしましたので、以下のとおりお知らせ申し上げます。
故人氏名:○○○○(享年○○歳)
続柄 :父(母)
通夜 :○○年○月○日
告別式:○○年○月○日
式場 :○○斎場
(必要であれば斎場の住所・電話番号を記入)
喪主 :○○○○
つきましては、○月○日より○月○日までの計○日間の忌引休暇を申請させていただきます。
なお故人の遺志により、葬儀は身内のみの家族葬でとり行うこととなっております。
誠に勝手ながら、ご会葬およびご厚志は辞退させていただきたくお願い申し上げます。
みなさまにはたいへんご迷惑をおかけしますが、どうぞよろしくお取りはからいください。
○○○○(自分の氏名と休暇中の連絡先を記入)
訃報連絡用紙で伝える
訃報連絡用紙で伝える場合は、FAXや郵送で送ります。葬儀の日時や内容を簡潔に記載した訃報連絡用紙の中に香典辞退の旨を記載してお伝えします。訃報連絡用紙は葬儀社が用意してくれます。
<文例>
父(母)○○○○(故人の名前)儀
入院加療中でおりましたところ 去る○月×日 90歳にて永眠いたしました
葬儀につきましては故人の遺志により近親者のみで執り行います
また弔問 香典 供物 弔電に関しましても故人の遺志により固くご辞退申し上げます
故人が生前賜りましたご厚誼につきまして厚く御礼申し上げます
令和△年○月×日
東京都千代田区○○○1-2-3
喪主 ○○○○
事後に連絡する場合
家族葬では、参列者以外の方に訃報を事前に知らせず、葬儀が済んでからの事後報告とすることの方が多いようです。その訃報とともに、香典辞退の旨を伝えます。
事後報告のタイミングには特に決まりはなく、葬儀を終えて少し落ち着いた1〜2週間後、遅くとも四十九日の法要までに訃報を伝えましょう。
連絡方法はハガキなどの文書が一般的です。親しい間柄の関係であれば電話やメールなどでも構いません。
<文例>
父(母)○○○○(故人の名前)儀
入院加療中でおりましたところ 去る○月×日 90歳にて永眠いたしました
葬儀は故人の遺志により近親者のみで執り行いました
なお 誠に勝手ではございますが
今後におきましても故人の遺志により
弔問 香典 供物 弔電は固くご辞退申し上げます 故人が生前賜りましたご厚誼につきまして厚く御礼申し上げます
本来ならば直接ご挨拶申し上げるべきところではございますが略儀ながら書中をもってお知らせいたします
令和△年○月×日 東京都千代田区○○○1-2-3 喪主○○○○
家族葬で香典を辞退する理由とメリット
香典には、故人への弔意や遺族への慰めの気持ちが込められています。
一般的な葬儀では、香典を受け取るのが基本ですが、家族葬では香典を辞退することが多くなっています。家族葬で香典を辞退する理由としては、以下のようなものが挙げられます。
- 参列者に金銭的な負担をかけたくない
- 香典返しの手間を省略したい
- 故人の遺志を尊重したい
- 葬儀費用に困っていない
家族葬で香典を辞退するメリットとしては、以下のようなものが挙げられます。
- 参列者の気持ちを楽にできる
- 香典返しの費用や手配を省ける
- 故人の意思を実現できる
- 遺族の負担を減らせる
家族葬で香典を辞退するときのタイミング
家族葬で香典を辞退するときには、事前にその旨を知らせる必要があります。香典を辞退するタイミングは、以下のように分けられます。
- 葬儀の前に伝える
- 葬儀の会場で伝える
- 葬儀の後に伝える
それぞれのタイミングと伝え方について、詳しく見ていきましょう。
葬儀の前に伝える
葬儀の前に香典を辞退することを伝えるのが、最も無難でスマートな方法です。これには、以下のような方法があります。
- 遺族が直接伝える
- 訃報連絡用紙で伝える
遺族が直接伝える場合は、葬儀の日時や場所などの詳細を電話やメールで連絡する際に、香典辞退の旨を一緒に伝えます。これは、家族や親族など、直接的な関係者に対して行う方法です。
訃報連絡用紙で伝える場合は、葬儀の日時や内容を簡潔に記載した用紙に、香典辞退の旨を記載してお伝えします。 これは、勤務先や地域など、間接的な関係者に対して行う方法です。
葬儀の前に香典を辞退することを伝えるメリットは、以下のようなものがあります。
- 参列者が香典を用意する手間を省ける
- 遺族が香典を受け取る手間を省ける
- 参列者と遺族の気まずさを避けられる
葬儀の会場で伝える
葬儀の会場で香典を辞退することを伝えるのは、あまりおすすめできません。これには、以下のような方法があります。
- 受付で伝える
- 看板で伝える
受付で伝える場合は、参列者が香典を渡そうとしたときに、受付係が遺族の代わりに香典辞退の旨をお伝えします。 これは、事前に連絡ができなかった場合や、連絡の行き違いがあった場合に行う方法です。
看板で伝える場合は、葬儀会場に「香典辞退」と書かれた看板を設置し、参列者に目に入るようにします。これは、受付がない場合や、受付係が多忙な場合に行う方法です。
葬儀の会場で香典を辞退することを伝えるデメリットは、以下のようなものがあります。
- 参列者が香典を用意したのに無駄になる
- 遺族が香典を断るのに気を使う
- 参列者と遺族の間に違和感や不快感を生む。 参列者は香典を渡すことで故人や遺族への弔意や慰めの気持ちを表したいと思っているのに、それができないことに不満や落胆を感じるかもしれません。遺族は香典を断ることで参列者に失礼にならないかと心配したり、感謝の言葉をどう伝えるかと悩んだりするかもしれません。
- 以上のように、葬儀の会場で香典を辞退することを伝えるのは、あまりおすすめできません。 できるだけ事前に連絡しておくことが、参列者と遺族の双方にとってスムーズで快適な葬儀になると思います。