近年では、新型コロナウイルスの影響や、故人の意思を尊重するなどの理由で、家族葬を選ぶ方が増えています。
しかし、家族葬を行う場合には、参列しなかった人に対する事後報告が必要になります。特に、義両親に対する事後報告は、故人との関係や、遺族との付き合い方によって、悩むところかもしれません。
そこで今回は、家族葬の義両親への事後報告について、以下の2点に分けてご紹介します。
- 家族葬の義両親への事後報告の必要性とタイミング
- 家族葬の義両親への事後報告の方法と文例
家族葬の義両親への事後報告の必要性とタイミング
まず、家族葬の義両親への事後報告は必要なのでしょうか。一般的には、義両親は家族葬に招待するべきです。故人との関係が良好であれば、最後の別れをさせてあげるのが礼儀ですし、関係が悪くても、遺族とのトラブルを避けるためにも、参列を求めることが望ましいでしょう。
しかし、故人の遺志や、遺族の意向によって、義両親を家族葬に招待しない場合もあります。その場合には、事後報告を行うことが必要になります。事後報告を行う理由は、次のようなものが挙げられます。
- 故人の死を知らせる
- 故人への感謝の気持ちを伝える
- 家族葬を行ったことを説明する
- 事後報告が遅れたことを謝罪する
- 弔問や香典を辞退する
事後報告を行うタイミングは、できるだけ早く行うのが望ましいです。遅くとも、葬儀から1週間以内には連絡するようにしましょう。事後報告が遅れると、義両親は故人の死を他人から聞いたり、遺族に対して不信感や不満を抱いたりする可能性があります。また、義両親が弔問や香典を届けようとする前に、事後報告をしておくことで、無駄な手間や気まずさを避けることができます。
家族葬の義両親への事後報告の方法と文例
次に、家族葬の義両親への事後報告の方法と文例を見ていきましょう。事後報告の方法は、電話や手紙、メールなどがありますが、最も丁寧なのは直接会って伝えることです。しかし、直接会うことが難しい場合は、電話や手紙で伝えることが一般的です。メールは、普段からメールで連絡を取り合っている場合や、緊急性が高い場合に限りましょう。
事後報告の文例は、以下のようになります。
電話の場合
お世話になっております。〇〇の妻(夫)の〇〇と申します。
突然のお電話で申し訳ありませんが、先月の〇日に〇〇が亡くなりました。
葬儀は故人の遺志により、家族のみで家族葬にて執り行いました。
生前は〇〇が大変お世話になりましたこと、心より感謝申し上げます。
このような形でのご連絡となり、大変申し訳ございません。
弔問や香典のご厚志につきましては、固くご辞退申し上げます。
突然のお電話で失礼いたしました。ごめんなさい。
手紙の場合
謹啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
さて、突然のことで恐縮ではございますが、先月の〇日に〇〇が永眠いたしました。
葬儀におきましては、故人の生前の意志により、誠に勝手ながら家族のみにて執り行いました。
本来ならば早速申し上げるべき処でございましたが、ご通知が遅れたことをお許しください。
尚、お供えやご香典につきましては、ご辞退させていただきたくお願い申し上げます。
故人が生前中賜りましたご厚意につきまして、深謝申し上げます。
本来ならば直接ご挨拶申し上げるべきところ、恐縮ではございますが、略儀ながら書中をもってお知らせいたします。
謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
敬具
令和〇年〇月〇日
〒【住所】
喪主 〇〇 〇〇
メールの場合
件名:〇〇の訃報について
本文:
お世話になっております。〇〇の妻(夫)の〇〇と申します。
このたび、〇〇が先月の〇日に亡くなりましたことをご報告申し上げます。
葬儀は故人の遺志により、家族のみで家族葬にて執り行いました。
生前は〇〇が大変お世話になりましたこと、心より感謝申し上げます。
このような形でのご連絡となり、大変申し訳ございません。
弔問や香典のご厚志につきましては、固くご辞退申し上げます。
故人が生前中賜りましたご厚意につきまして、深謝申し上げます。
本来ならば直接ご挨拶申し上げるべきところ、恐縮ではございますが、略儀ながら書中をもってお知らせいたします。
謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
敬具
令和〇年〇月〇日
〒【住所】
喪主 〇〇 〇〇
家族葬に義両親を呼ばない場合のマナーと注意点
家族葬に義両親を呼ばない場合、最低限のマナーとして、訃報と一緒にその旨を伝える必要があります。なぜなら、黙って葬儀を行ってしまうと、「自分も参列したいのに呼んでくれなかった」とのクレームにつながり、トラブルとなる可能性があるからです。訃報と一緒に連絡する方法としては、以下のようなものがあります。
- 電話で直接連絡する
- 葬儀会社に連絡を依頼する
- 葬儀が終わった後に訃報通知の手紙を送る
連絡する際には、以下の点に注意しましょう。
- 葬儀の規模や日程、場所などの詳細は伝えない
- 香典や供花は辞退することを明記する
- 故人やご家族の意向を尊重してほしいと伝える
- お詫びの言葉や感謝の言葉を添える
義理の親の葬儀に参列するかどうかの判断基準
義理の親の葬儀に参列するかどうかは、故人との親交の深さや葬儀の規模によって決めることが多いです。一般的には、以下の表のように判断することができます。
葬儀の規模 | 親交の深さ | 参列するかどうか |
---|---|---|
大規模 | 深い | 参列する |
大規模 | 浅い | 参列しない |
小規模 | 深い | 参列する |
小規模 | 浅い | 参列しない |
参列する場合は、夫婦で参列するのが望ましいですが、どうしても都合がつかない場合は、配偶者のみの参列もOKです。参列しない場合は、香典を誰かに預けるか郵送するなどの方法で弔意を表しましょう。また、喪主や配偶者にどうしてほしいか直接聞いてみるのも一つの方法です。
以上、家族葬における義理の親や自分の親との関係について解説しました。家族葬は、故人やご家族の想いを尊重することが大切です。しかし、それと同時に、親族や友人との関係も大切にすることが必要です。葬儀に参列するかどうかは、故人との繋がりや親族内の慣習を考慮しながら、慎重に決めてください。
旦那の親が亡くなった時の香典と家族葬のマナー
旦那の親が亡くなった時、葬儀に参列する場合は香典を渡すのが一般的です。 しかし、香典の金額や包み方、渡し方などには、いくつかのマナーがあります。 また、家族葬という形式の場合は、香典を辞退されることもあります。 そこで、旦那の親が亡くなった時の香典と家族葬のマナーについて、以下の表にまとめました。
項目 | 内容 |
---|---|
香典の金額 | 旦那の親の場合は、実の親と同じ金額と考えるのが良いです。自身の年齢によっても相場が変わりますが、20代なら3~5万円、30代以降なら5~10万円が目安です。夫婦連名で出す場合は、5割増しの金額を包みます。 |
香典の包み方 | 香典袋は、金額によって水引封筒、中金封、大金封のいずれかを使用します。表書きは、故人の宗教や葬儀の日数によって「御霊前」「御仏前」「玉串料」などと書きます。名前は薄墨でフルネームで記入します。お金は、人物面を伏せて中袋に入れます。新札は使用せず、古いお金か折り目をつけたお金を使います。 |
香典の渡し方 | 受付で、参列者の名前や住所、故人との関係などをカードに記入し、一緒に香典を渡します。香典を渡す時は、係の人に直接手渡しするのではなく、受付に置かれたお盆に香典を置いて、向きを変えて係の人にお渡しします。香典を渡した後、引き換えで会葬品が手渡されます。 |
家族葬の場合 | 家族葬とは、家族や親族のみで行う小規模な葬儀のことです。家族葬では、遺族が香典を辞退する場合があります。その場合は、無理に渡さないようにします。香典を受け取る場合と、香典辞退の両方の可能性があります。その連絡を受けていないときは、どちらの場合にも対応できるよう、お香典を持参するのが無難と言えるでしょう。 |
義祖母の葬式に実両親が参列する際の香典のマナー
義祖母の葬式に、実両親が参列する場合は、香典を渡すのが一般的です。 しかし、香典の金額や包み方、渡し方などには、いくつかのマナーがあります。 また、実両親が参列する場合は、配偶者や義理の両親との関係も考慮する必要があります。 そこで、義祖母の葬式に実両親が参列する際の香典のマナーについて、以下の表にまとめました。
項目 | 内容 |
---|---|
香典の金額 | 実両親が参列する場合は、義祖母との関係性や配偶者や義理の両親との関係性によって金額が変わります。一般的には、1~3万円が相場とされています。配偶者や義理の両親と仲が良い場合は、多めに包むこともあります。 |
香典の包み方 | 香典袋は、金額によって水引封筒、中金封、大金封のいずれかを使用します。表書きは、故人の宗教や葬儀の日数によって「御霊前」「御仏前」「玉串料」などと書きます。名前は薄墨でフルネームで記入します。お金は、人物面を伏せて中袋に入れます。新札は使用せず、古いお金か折り目をつけたお金を使います。 |
香典の渡し方 | 受付で、参列者の名前や住所、故人との関係などをカードに記入し、一緒に香典を渡します。香典を渡す時は、係の人に直接手渡しするのではなく、受付に置かれたお盆に香典を置いて、向きを変えて係の人にお渡しします。香典を渡した後、引き換えで会葬品が手渡されます。 |
実両親の参列の注意点 | 実両親が参列する場合は、配偶者や義理の両親との関係も考慮する必要があります。配偶者や義理の両親と仲が良い場合は、実両親にも参列をお願いすることもありますが、仲が悪い場合は、参列を控えることもあります。また、実両親が参列する場合は、配偶者や義理の両親に挨拶をすることがマナーです。 |
以上が、旦那の親が亡くなった時の香典や家族葬について、そして義祖母の葬式に実両親が参列する際の香典についての解説でした。
Q&A
- Q家族葬と言われたら義両親を呼ぶべきですか?
- A
家族葬と言われた場合、義両親を呼ぶかどうかは、故人や喪主の意向によります。故人と義両親の関係が良好であれば、呼ぶこともありますが、そうでなければ呼ばないこともあります。呼ぶ場合は、喪主から直接連絡をするか、あるいは故人の親族に相談してから連絡をするのがよいでしょう。
- Q家族葬の受付は嫁がするのですか?
- A
家族葬の受付は、嫁がする必要はありません。家族葬では、参列者が少ないため、受付を設けないことも多いです。受付を設ける場合でも、喪主や遺族の中から任意の人が行うことができます。嫁が受付をするのは、喪主や遺族から頼まれた場合や、自ら進んで行う場合に限られます。
- Q家族葬をあとから知らせるには?
- A
家族葬をあとから知らせる場合は、葬儀が終わった後に、故人の親族や友人、会社関係者などに連絡をします。連絡の方法は、電話やメール、手紙などがありますが、相手の立場や関係性に応じて適切な方法を選びましょう。連絡の内容は、故人の死亡日時や原因、家族葬であったこと、お悔やみの言葉などを伝えます。また、香典や供花などの辞退の意向も明記しましょう。
- Q家族葬を事後報告された場合の対応は?
- A
家族葬を事後報告された場合の対応は、故人や遺族に対する弔意を表すことが大切です。事後報告を受けたら、まずはお悔やみの言葉を述べましょう。電話やメール、手紙などで連絡をすることができますが、相手の状況や気持ちを考慮してタイミングや方法を選びましょう。また、香典や供花などを送りたい場合は、遺族の意向を確認してから行いましょう。遺族が辞退している場合は、送らないのがマナーです。